○市川三郷町景観条例

平成27年3月18日

条例第14号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 良好な景観形成の推進

第1節 景観計画(第8条―第12条)

第2節 景観計画区域内における行為の制限(第13条―第19条)

第3節 景観重要建造物等(第20条―第23条)

第3章 町民等との協働による景観形成の推進(第24条―第27条)

第4章 助成(第28条)

第5章 雑則(第29条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、景観法(平成16年法律第110号。以下「法」という。)第8条第1項の規定に基づく景観計画の策定及びその他必要な事項を定めることにより、町、町民、事業者及び来訪者の協働による景観形成を進め、もって、景観計画の基本理念に掲げる「まちの風景資産を誇り、交流と心豊かな暮らしが育む景観づくり」の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 景観形成 良好な景観を保全、育成、活用若しくは創出すること又は現に存在する景観を改善することをいう。

(2) 景観計画 法第8条第1項に規定する景観計画をいう。

(3) 景観計画区域 法第8条第2項第1号に規定する景観計画区域をいう。

(4) 建築物等 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定する建築物及び規則で定める工作物をいう。

(5) 屋外広告物 屋外広告物法(昭和24年法律第189号)第2条第1項に規定する屋外広告物をいう。

(6) 来訪者 二地域居住者、別荘所有者、観光客及びその他多様な来訪者をいう。

2 前項に定めるもののほか、この条例において使用する用語は、法及びこれに基づく法令において使用する用語の例による。

(基本理念)

第3条 豊かな自然景観や美しい眺望景観、固有の歴史や伝統文化、四季を彩る里山景観や郷愁をさそう農山村景観、生業や日々の営みが現れた暮らしの景観などの多様な景観資源が息づく本町の優れた景観は、潤いある豊かな生活環境の創造、観光など地域の活力の向上に大きな役割を担うものであることに鑑み、市川三郷町らしさが現れている豊かな風景をまちの風景資産として、多様な景観資源の芽を育て、交流を育みながら、ふるさとの誇りを培うよう、町、町民、事業者及び来訪者の協働により、その整備、保全及び育成を図る。

(町の責務)

第4条 町は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、良好な景観形成を推進するための施策を策定し、これを総合的、かつ、計画的に実施しなければならない。

2 町は、前項の施策の策定及び実施に当たっては、町民及び事業者等の意見を反映するよう努めなければならない。

3 町は、景観形成に関する啓発及び知識の普及等を通じて、基本理念に対する町民の理解を深めるよう努めなければならない。

4 町は、公共施設の建設その他の公共事業を行う場合は、景観形成において先導的役割を果たさなければならない。

5 町は、必要があると認めるときは、国及び山梨県その他の地方公共団体等と、適切な連携を図らなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念に基づき、景観形成に関する理解を深めるとともに、良好な景観を形成する主体であることを認識し、景観形成に積極的な役割を果たすよう努めなければならない。

2 町民は、町が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。

3 町民は、屋外広告物に関する法令及び条例その他景観形成に寄与する法令及び条例を遵守しなければならない。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に基づき、自ら行う事業活動に関し、景観形成に努めるとともに、町が実施する景観形成に関する施策に協力しなければならない。

2 事業者は、屋外広告物に関する法令及び条例その他景観形成に資する法令及び条例を遵守しなければならない。

(来訪者の協力)

第7条 町の区域内に別荘等を有する二地域居住者は、第5条に規定する町民の責務と同等の役割を果たすよう努めなければならない。

2 来訪者は、自らのマナー向上に努め、町の目指す景観形成に対して理解と協力に務めなければならない。

第2章 良好な景観形成の推進

第1節 景観計画

(景観計画の策定及び変更)

第8条 町長は、良好な景観形成を総合的に進めるため、景観形成に配慮し、景観計画を策定する。

2 景観計画を変更する手続については、法第9条に規定する手続のほか、この章に定めるところによる。

3 町長は、景観計画を変更しようとするときは、あらかじめ市川三郷町景観審議会条例(平成26年市川三郷町条例第29号)により設置する市川三郷町景観審議会(以下「景観審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

(景観計画の原案の公表等)

第9条 町長は、前条の景観計画の原案を定めたときは、別に定める要綱に基づき町民の意見を求めるための手続を行わなければならない。

(景観計画の原案に対する意見の取扱い)

第10条 前条の規定により公表された景観計画の原案について意見を述べることを希望する者は、当該公表があった日の翌日から起算して30日以内に意見書を町長に提出しなければならない。

2 町長は、前項の規定により提出された意見を考慮して、景観計画を定めるものとする。

3 町長は、前項の意見に対する考え方について、当該意見と併せて公表するものとする。

(景観計画区域)

第11条 景観計画区域は、町の全域とする。

2 町長は、景観計画区域を次の景観形成地域に分類し、それぞれに適した景観形成を図るものとする。なお、景観形成地域の分類についての具体的な内容は景観計画によるものとする。

(1) 田園居住景観形成地域

(2) 山麓・山間景観形成地域

(3) 森林景観形成地域

(景観形成重点地区の指定)

第12条 町長は、先導的、かつ、重点的に景観形成を図る必要があると認める地域について、景観形成重点地区(以下「重点地区」という。)として指定することができる。

2 町長は、重点地区を指定しようとするときは、あらかじめ当該地区の住民等の意見を聴かなければならない。

3 町長は、重点地区を指定しようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、重点地区を指定したときは、これを公表しなければならない。

5 第1項から第4項までの規定は、重点地区の指定の変更及び解除について準用する。

第2節 景観計画区域内における行為の制限

(届出を要する行為)

第13条 法第16条第1項に規定する届出を要する行為(以下「届出対象行為」という。)は、第11条第2項各号に掲げる景観形成地域に応じ、別表第1に定める行為とする。

2 前項の規定に関わらず、重点地区における届出対象行為を定めたときは、当該重点地区の届出対象行為によるものとする。

3 届出対象行為を行おうとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめその旨を町長に届け出なければならない。

4 前項の規定により行為の届出をした者が、当該届出に係る行為の内容を変更しようとする場合は、規則で定めるところにより、あらかじめ町長に届け出なければならない。

(届出を要しない行為)

第14条 法第16条第7項第11号に規定する届出を要しない行為は、別表第2に定める行為とする。

(特定届出対象行為)

第15条 法第17条第1項に規定する特定届出対象行為は、法第16条第1項第1号又は第2号に掲げる行為のうち、同項の規定による届出を要する行為(第14条に規定するものを除く。)とする。

(景観形成基準への適合)

第16条 法第16条第1項各号に掲げる行為を行おうとする者は、建築物等又は開発行為等が景観計画で定める景観形成基準に適合するものにしなければならない。

2 前項の規定に関わらず、重点地区における景観形成基準を定めたときは、当該重点地区の景観形成基準に適合するものにしなければならない。

3 第14条の規定による届出を要しない行為についても、景観計画で定める景観形成基準に適合するよう努めなければならない。

4 第1項及び第2項の規定にかかわらず、町長が公益上必要と認める行為についてはこの限りでない。

(事前協議)

第17条 届出対象行為のうち次の各号のいずれかに該当する場合は、あらかじめ、その行為の内容について町長と協議しなければならない。

(1) 建築物で、その高さが13メートルを超えるもの又は床面積が1,000平方メートルを超えるもの

(2) 工作物で、その高さが20メートルを超えるもの又は築造面積が1,000平方メートルを超えるもの

(勧告又は命令)

第18条 町長は、法第16条第3項又は法第17条第1項若しくは第5項の規定に基づき、勧告又は命令をすることができる。

2 町長は、前項の規定による勧告又は命令をする必要があると認めるときは、緊急を要する場合を除き、景観審議会の意見を聴くものとする。

(公表)

第19条 町長は、前条第1項の規定による勧告又は命令を受けた者がその勧告又は命令に従わないときは、規則で定める事項を公表することができる。

第3節 景観重要建造物等

(景観重要建造物の指定)

第20条 町長は、法第19条第1項の規定により景観重要建造物の指定をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴かなければならない。

2 町長は、景観重要建造物を指定したときは、所有者に通知するとともに、規則で定める事項を表示し、公表するものとする。

3 前2項の規定は、法第27条第1項又は第2項の規定による景観重要建造物の指定の解除について準用する。

(景観重要建造物の管理義務)

第21条 法第25条第2項の規定による景観重要建造物の管理の方法の基準については、別に規則で定める。

(景観重要樹木の指定)

第22条 町長は、法第28条第1項の規定により景観重要樹木の指定をしようとするときは、あらかじめ景観審議会の意見を聴かなければならない。

2 町長は、景観重要樹木を指定したときは、所有者に通知するとともに、規則で定める事項を表示し、公表するものとする。

3 前2項の規定は、法第35条第1項又は第2項の規定による景観重要樹木の指定の解除について準用する。

(景観重要樹木の管理義務)

第23条 法第33条第2項の規定による景観重要樹木の管理の方法の基準については、別に規則で定める。

第3章 町民等との協働による景観形成の推進

(景観形成活動団体の認定)

第24条 町民等は、本町の良好な景観形成の推進を目的として景観形成活動団体を結成することができる。

2 町民等は、前項の景観形成活動団体を結成しようとするときは、規則に定めるところにより、町長にその認定の申請を行うものとする。

3 町長は、前項の申請に係る団体の活動内容が、規則に定める要件に該当すると認めるときは、景観形成活動団体として認定するものとする。

4 町長は、景観形成活動団体を登録しようとするときは、景観審議会の意見を聴くものとする。

5 町長は、景観形成活動団体を認定したときは、当該団体に通知し、当該団体の名称及び活動内容等を公表しなければならない。

6 町長は、景観形成活動団体として登録した団体が解散したとき、又は規則で定める要件に該当しなくなったときは、認定を取り消さなければならない。

(景観形成の提案等)

第25条 前条の規定により認定を受けた景観形成活動団体は、景観形成を推進するための提案又は意見を町長に提出することができる。

2 町長は、景観形成を推進するための施策を確定又は実施するに当たっては、前項の規定により提出された提案又は意見に配慮するものとする。

(既存の施設等の景観形成への配慮)

第26条 町、町民及び事業者は、自らが所有、管理又は使用する権限を有する次に掲げるもの又は屋外における一時的な行為について、景観形成に配慮するよう努めなければならない。

(1) 既存の建築物等

(2) 既存の屋外広告物

(3) 空き地

(既存の施設等に対する要請)

第27条 町長は、景観形成を図る上で著しく支障があると認められるときは、既存の建築物等、屋外広告物、空き地又は屋外において集積若しくは貯蔵された物品等について、その所有者に対し、景観形成に配慮するよう要請することができる。

2 町長は、前項の規定による要請をする場合において、必要があると認めるときは、景観審議会の意見を聴くものとする。

第4章 助成

(助成等)

第28条 町長は、法第81条第1項の景観協定を締結した者、景観形成活動団体又は景観形成の活動を行う者に対し、必要があると認めるときは、専門家の派遣若しくは技術的援助を行い、予算の範囲内において、その活動に要する費用の一部を助成することができる。

2 町長は、景観重要建造物等又は景観重要樹木の保全のために必要があると認めるときは、当該景観形成重要建造物及び景観重要樹木の所有者に対して技術的支援を行い、予算の範囲内において、その保全に要する費用の一部を助成することができる。

第5章 雑則

(委任)

第29条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成27年7月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現に着手されている建築行為等については、なお従前の例によるものとし、第13条に規定する行為の届出は必要ない。

別表第1(第13条関係)

届出対象行為

(1) 田園居住景観形成地域

【届出を要する行為】

行為の種類

届出の対象

建築物

新築、改築、増築又は移転

高さ13m又は床面積の合計が250m2を超えるもの(増改築については行為後の規模とする)

外観の模様替え、色彩の変更

高さ13m又は床面積の合計が250m2を超える建築物で、変更部分の面積の合計が10m2を超えるもの

工作物

新築、増改築、移転、外観の模様替え、色彩の変更

垣、さく、塀の類

高さ3mを超えるもの

電線類、電柱、鉄塔、アンテナの類

高さ15mを超えるもの

煙突、記念塔、高架水槽、彫像の類

高さ13mを超えるもの

遊戯施設、製造プラント、貯蔵施設、処理施設の類

高さ13m又は築造面積250m2を超えるもの

地上に設置する太陽光・風力・小水力発電施設

高さ10mを超えるもの又は太陽光モジュール(パネル)の面積が10m2を超えるもの、小水力発電施設で築造面積が10m2を超えるもの

開発等の行為

土地の形質の変更、鉱物の掘採又は土石の類の採取

行為面積1,000m2を超えるもの又は高さ3mを超える法面若しくは擁壁を生じるもの

屋外における土石、廃棄物、再生資源、その他物件の堆積

高さ3m又は面積500m2を超えるもので、期間が90日を超えるもの

木竹の伐採

土地の用途変更を目的とした伐採面積300m2を超えるもの

(2) 山麗・山間景観形成地域

【届出を要する行為】

行為の種類

届出の対象

建築物

新築、改築、増築又は移転

高さ10m又は床面積の合計が250m2を超えるもの(増改築については行為後の規模とする)

外観の模様替え、色彩の変更

高さ10m又は床面積の合計が250m2を超える建築物で、変更部分の面積の合計が10m2を超えるもの

工作物

新築、増改築、移転、外観の模様替え、色彩の変更

垣、さく、塀の類

高さ2mを超えるもの

電線類、電柱、鉄塔、アンテナの類

高さ15mを超えるもの

煙突、記念塔、高架水槽、彫像の類

高さ10mを超えるもの

遊戯施設、製造プラント、貯蔵施設、処理施設の類

高さ10m又は築造面積250m2を超えるもの

地上に設置する太陽光・風力・小水力発電施設

高さ10mを超えるもの又は太陽光モジュール(パネル)の面積が10m2を超えるもの、小水力発電施設で築造面積が10m2を超えるもの

開発等の行為

土地の形質の変更、鉱物の掘採又は土石の類の採取

行為面積500m2を超えるもの又は高さ2mを超える法面若しくは擁壁を生じるもの

屋外における土石、廃棄物、再生資源、その他物件の堆積

高さ2m又は面積300m2を超えるもので、期間が90日を超えるもの

木竹の伐採

土地の用途変更を目的とした伐採面積300m2を超えるもの

(3) 森林景観形成地域

【届出を要する行為】

行為の種類

届出の対象

建築物

新築、改築、増築又は移転

行為部分の床面積の合計が10m2を超えるもの(増改築については行為後の規模とする)

外観の模様替え、色彩の変更

変更部分の面積の合計が10m2を超えるもの

工作物

新築、増改築、移転、外観の模様替え、色彩の変更

垣、さく、塀の類

高さ1.5mを超えるもの

電線類、電柱、鉄塔、アンテナの類

高さ15mを超えるもの

煙突、記念塔、高架水槽、彫像の類

高さ5mを超えるもの

遊戯施設、製造プラント、貯蔵施設、処理施設の類

高さ5m又は築造面積10m2を超えるもの

地上に設置する太陽光・風力・小水力発電施設

高さ10mを超えるもの又は太陽光モジュール(パネル)の面積が10m2を超えるもの、小水力発電施設で築造面積が10m2を超えるもの

開発等の行為

土地の形質の変更、鉱物の掘採又は土石の類の採取

行為面積300m2を超えるもの又は高さ1.5mを超える法面若しくは擁壁を生じるもの

屋外における土石、廃棄物、再生資源、その他物件の堆積

高さ1.5m又は面積100m2を超えるもので、期間が90日を超えるもの

木竹の伐採

土地の用途変更を目的とした高さ10mを超えるもの又は伐採面積300m2を超えるもの

別表第2(第14条関係)

届出を要しない行為

1 第13条に定める届出を要する行為の規模に満たない行為

2 景観計画区域が指定された際に、既に着手している行為

3 建築物や工作物で、外観の変更を伴わない改築

4 屋外における土石、廃棄物、再生資源、その他物件の堆積で、その用に供される土地の周辺の道路等から見通すことができない行為

5 山梨県文化財保護条例又は市川三郷町文化財保護条例に基づく許可又は届出が必要な行為

6 国又は地方公共団体が行う行為(ただし、通知は必要)

市川三郷町景観条例

平成27年3月18日 条例第14号

(平成27年7月1日施行)

体系情報
第10編 設/第2章 都市計画・公園
沿革情報
平成27年3月18日 条例第14号